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か行
は行
あ行の用語説明
- あき
- 隣り合って配置された鉄筋、PC鋼材あるいはシースの純間隔。
- 圧縮応力
- 圧縮力を受ける物体の内部に生じる内力。一般には、圧縮方向に垂直な面に作用する単位面積当りの力で表す。
- アルカリ骨材反応
- コンクリートの水和反応の過程で、セメント中のアルカリ成分(Na_K等)と骨材中の不安定な鉱物(反応性鉱物)とが反応し、膨張性の物質が生成されコンクリートに膨張ひび割れが生じる現象。
- 永続作用
- 設計供用期間内において、その大きさが大きく変動することなく継続的に、または非常に高い頻度で部材等に影響を及ぼす作用。
- 永続作用支配状況
- 例えば、死荷重のように設計供用期間中に継続的に作用しているものの影響、死荷重、土圧、水圧などの重力に起因する作用や、クリープ等の材料特性の長期的な変化により橋が受ける影響が支配的な状況。
- 塩害
- コンクリート中の塩化物イオンによって鋼材が腐食し、コンクリートにひび割れ・剥離・剥落などの損傷がもたらされること。
- 塩化物含有量
- フレッシュコンクリートに含まれている塩化物イオンの量。コンクリート用材料に含まれている塩化物には、塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化カルシウム、塩化マグネシウム等がある。
- 応答値
- 断面力や変形等、作用により変化する部材等の状態を表す指標の値。
- 温度応力
- コンクリート部材内部の温度分布が不均一な場合及び温度上昇・下降に伴って生じる体積変化が外部から拘束された状態において、コンクリートに発生する応力。
- 温度荷重
- 部材は温度の変化により膨張、収縮する。この部材の変形が拘束されると、部材内部に応力が発生する。設計にあたって、この応力を発生させるのに相当する仮想上の外力をいう。
- 温度ひび割れ
- コンクリートの温度ひび割れの原因には、水和熱でコンクリートの内部が表面より高温となり、内部が膨張しようとする時に発生するものと、水和熱による温度の低下とともに収縮しようとするコンクリートが、既設のコンクリートや岩盤などに拘束されて発生するものがある。
か行の用語説明
- 荷重
- 部材等に働く作用を力に変換したもの。
- 荷重組合せ係数
- 異なる作用の同時載荷状況に応じて、設計で考慮する作用の規模の補正を行うための係数。
- 荷重係数
- 作用の特性値に対するばらつきに応じて、設計で考慮する作用の規模の補正を行うための係数。
- 活荷重
- 橋梁など構造物の設計に際し考慮すべき主荷重の一つで、車道上の自動車荷重、歩道上の群集荷重および軌道上の車両荷重を指す。『道路橋示方書』においては自動車荷重(T荷重、L荷重)、歩道等に負載する等分布荷重(群集荷重)としており、大型自動車の交通状況に応じてA活荷重およびB活荷重に区分して規定されている。
- 下部構造
- 上部構造からの荷重を基礎地盤に伝達する構造部分で、橋台、橋脚及びそれらの基礎。
- かぶり
- 鉄筋、PC鋼材あるいはシースの表面からコンクリート表面までの最短距離。
- 乾燥収縮
- モルタルや硬化したコンクリートが乾燥によって収縮する現象。
- 許容圧縮応力度
- 許容応力度設計法によって設計するときに使用される許容限度の圧縮応力度。部材が軸圧縮力を受ける場合の許容軸方向圧縮応力度と、曲げを受ける場合の許容曲げ圧縮応力度がある。長い部材の場合は、座屈などを考慮し引張許容応力より小さな値をとる。
- 許容せん断応力度
- 許容応力度設計法によって設計するときに使用される許容限度のせん断応力に対する許容値。
- 偶発作用
- 設計供用期間内に生じる可能性が極めて小さい、またはその規模や頻度について確率統計的に扱うことが困難であるが、部材等に及ぼす影響が甚大である作用。
- 偶発作用支配状況
- 例えば、設計供用期間中に発生する確率は低いが大きな強度をもつ地震動や船舶等による大規模な衝突などの作用の影響を考慮する状況。
- グラウト
- 空隙目地、ひび割れなどの細かい隙間を充填し、支持力増大・漏水防止などのために注入する、セメントベースト・モルタル・薬液などのこと。
- クリープ
- 一定の荷重が長期間かかり続けた時に、弾性歪み、および乾燥収縮歪みを除いたひずみが時間とともに増加する現象。
- 限界状態
- 橋の耐荷性能を照査するにあたって、応答値に対応する橋や部材等の状態を区分するために用いる状態の代表点。
- 鋼橋
- 上部構造物を構成する主要部材が鋼材からなる橋。
- 鋼材
- コンクリート構造物に用いられる鉄筋およびPC鋼材。
- 合成桁
- 鋼桁と鉄筋コンクリート床版をずれ止め材で結合、一体化し、外力に対して抵抗するように造られた桁。
- コールドジョイント
- コンクリートの打継ぎ時間の間隔を過ぎて打設した場合に、先に打ち込んだコンクリートが硬化を始め、後から打ち込んだコンクリートとの一体化が十分できないために生じる継ぎ目。
- コンクリート橋
- 上部構造物を構成する主要部材がコンクリートからなる橋。
- コンクリートの乾燥収縮
- 乾燥によりコンクリートが収縮する現象。
- コンクリートのクリープ
- コンクリートに一定の応力が作用した状態で時間の経過とともにひずみが増加する現象。
さ行の用語説明
- 作用
- 部材等に発生する断面力や変形等の状態変化を部材等に生じさせる全ての働き。
- シース
- ポストテンション方式において、コンクリート硬化後にPC鋼材を配置できるように、あらかじめコンクリート中にあけておく孔を形成するための筒。
- 死荷重
- 橋梁の設計に際し考慮すべき主荷重の一つで、構造物の自重など時間が経過しても変化しない荷重。死荷重の算出は『道路橋示方書』においては、記載されている表に示す材料の単位重量を用いて求めてもよい。ただし、実重量の明らかなものはその値を用いるものとする。
- 軸方向鉄筋
- 部材軸方向に配置する鉄筋。
- 車道部分
- 車道部(車道、中央帯、路肩等)のうち自動車が通行できる部分。
- 従荷重
- 橋の主要構造部を設計する場合において、必ずしも常時又はしばしば作用するとは限らないが、荷重の組合せにおいて必ず考慮しなければならない荷重。
- 主荷重
- 橋の主要構造部を設計する場合において、常に作用すると考えなければならない荷重。
- 主鉄筋
- 部材の設計において、荷重作用により部材断面により生じる引張応力に対して配置する鉄筋。
- 衝突荷重
- 自動車、船舶、流送物、落石等が構造物に衝突して作用する力。その力は衝突時の速度に比例し、衝突時間に反比例して増大する。『道路橋示方書』では、特殊荷重の一つとして規定されている。
- 上部構造
- 橋台、橋脚に支持される橋桁とその他の構造部分。
- スターラップ
- 正鉄筋または負鉄筋を取り囲み、これに直角に配置する補強鉄筋のこと。
- 制限値
- 橋および部材等の限界状態を超えないとみなせるための適当な安全余裕を考慮した値。
- 設計基準強度
- コンクリー卜構造物の設計において基準とするコンクリートの圧縮強度。
- 設計供用期間
- 適切な維持管理が行われることを前提に、設計の前提条件として橋が所要の性能を発揮することを期待する期間。
- せん断応力
- 物体の任意の面に生じる応力のうち、面の接線方向の成分。接線応力、ずれ応力ともいう。横断面に平行な、断面をすり切ろうとする応力で、せん断応力をτ、せん断弾性係数をG、せん断ひずみをrと表せば、τ=Grなる関係が成り立つ。
- 相反応力
- 死荷重による応力と活荷重(衝撃の影響含む)による応力のそれぞれの符号が異なる場合のその応力。
た行の用語説明
- 断面力
- 荷重作用により部材断面に生じる曲げモーメント、せん断力、軸方向力およびねじりモーメント。
- 定着具
- ポストテンション方式によるプレストレストコンクリート部材において、引張力を与えたPC鋼材を硬化したコンクリートに固定するための器具。
- 定着具におけるセッ卜量
- PC鋼材を定着具に定着するときにPC鋼材が定着具のところで引き込まれる量。
- 特殊荷重
- 橋の主要構造部を設計する場合において、橋種、構造形式、架橋地点の状況等の条件によっては、とくに考慮しなければならない荷重。
- 特性値
- 設計計算において、作用や材料の性質、部材等の応答の性質を最も適切に代表できるものとした指標の値。
な行の用語説明
- 斜引張鉄筋
- せん断力およびねじりモーメントにより部材断面により生じる引張応力に対して配置する鉄筋。
は行の用語説明
- 橋の性能
- 橋の耐荷性能や耐久性能、その他使用目的との適合性を満足するために必要な性能から構成される一連の性能。
- 橋の耐荷性能
- 設計状況に対して、橋としての荷重を支持する能力の観点および橋の構造安全性の観点から、橋の状態が想定される区分にあることを所要の信頼性で実現する性能。
- 橋の耐久性能
- 設計供用期間に対して、材料の経年的な劣化が橋の耐荷性能に影響を及ぼさない状態を、所要の信頼性で実現する性能。
- 引張応力
- 材料が外力を受け、伸びを生じるときに、材料内部に発生する応力。いずれもせん断応力と異なり、物体の体積変化を伴った変形により発生する応力である。単純な引張応力度であれば、引張力/面積で求められる。
- 腹鉄筋
- 鉄筋コンクリートのはりやスラブにおいて、スターラップや折り曲げ鉄筋など、せん断補強として用いられる鉄筋。
- 付着強度
- コンクリート中の鉄筋またはPC鋼材において、引き抜き力や押し抜き力の最大値を、2つの材料が接触する付着面積で除した値。
- プレキヤストセグメントエ法
- あらかじめ工場や現場ヤードで分割して製作したプレキャスト部材(セグメント)を架橋地点で接合し、プレストレスを与えて一体化する工法。
- プレストレス
- あらかじめ計画的に、PC鋼材により部材断面に与える圧縮応力。
- ブレストレスカ
- プレストレッシングにより部材断面に作用している力。
- プレストレッシング
- プレストレスを与えること。
- プレテンション方式
- 型枠内の所定の位置に配置したPC鋼材を緊張してからコンクリートを打ち込み、コンクリートの硬化後に緊張力を解放し、PC鋼材とコンクリートの付着力によりコンクリートにプレストレスを与える方式。プレテンと略する。
- 変動作用
- 設計供用期問内において、絶えず大きさが変動し、その作用の最大値または最小値が部材等に及ぼす影響が無視できない作用。
- 変動作用支配状況
- 例えば、複数の車両群の同時載荷による荷重、気温に対応する温度変化の影響、設計供用期間中に発生する確率が高い地震や数回生じる程度の強風などの同時載荷を考慮する状況。
- ポストテンション方式
- コンクリートの硬化後にPC鋼材を挿入・緊張し、定着具を用いてコンクリートにプレストレスを与える方式。ポステンと略する。
- 歩道等
- 道路構造令第2条で定義する歩道、自転車及び自転車歩行者道。
ま行の用語説明
- 曲げ応力
- 荷重によって生じる曲げモーメントによって、材料内部に生じる応力。
- 見かけのリラクセーション率
- PC鋼材のリラクセーションに対し、コンクリートの乾燥収縮およびクリープなどによる影響を考慮したPC鋼材引張力の減少量を最初に与えたPC鋼材引張力に対する百分率で表した値。
- 耳桁(外桁)
- 3本以上の主桁で構成される桁橋で、外側にある桁のこと。
や行の用語説明
- 有効係数
- PC鋼材の有効引張力をプレストレッシング直後のPC鋼材に作用している引張力で除した値。
- 有効引張力
- プレストレスを与えたのち、コンクリートのクリープおよび乾燥収縮、PC鋼材のリラクセーションが終わったときにPC鋼材に作用している引張力。
- 有効プレストレス
- PC鋼材の有効引張力によりコンクリートに与えられているプレストレス。
- 用心鉄筋
- 鉄筋コンクリートにおいて、乾燥収縮や予期せぬ力に対し、コンクリートを保護するために用いられる、用心のための鉄筋。
- 横方向鉄筋
- 部材軸直角方向に配置する鉄筋。
ら行の用語説明
- ラーメン構造
- 部材と部材の節点が剛結された骨組構造。
- 輪荷重
- 車輪のタイヤを通して路面に加わる鉛直荷重。
英数字の用語説明
- FEM
- 有限要素法。コンピューターで、複雑な構造物の変形・振動などを数値的に解析する手法のひとつ。解析対象を、数学的に取り扱いが容易な細かい要素に分割し、要素間に境界条件を与え、偏微分方程式や連立方程式を解くこ2:で全体のふるまいを解析する。FEM(finite element method)。
- PC
- プレストレストコンクリート(Prestressed concrete)の略。プレストレスを付与した構造部材用コンクリート。
- PC鋼材
- プレストレストコンクリートの緊張材として用いる鋼材(高強度鋼)。
- PC鋼材のリラクセーション
- 一定のひずみを保持した状態で時間の経過とともに応力が減少する現象。
- RC
- 鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete)の略。コンクリートと鉄筋とが一体となった構造で、RC造とも呼ばれる。